霊長類最弱ドクターの開業ダイアリー By Dr. Olive④
「自意識こじらせて病んだのが、周りにバレバレだった」
精神科開業医のOliveです。
「霊長類最弱」と呼ばれる私が、子育てしながら週に3日だけ開業するまでをお届けしています!
次の勤務先は総合病院の精神科&神経内科だった。
大学の医局はもともと両方の科を診ていた歴史があり、次の勤務先では両方診られるので勉強になると言われていた。
ALS疑いの人に筋生検をしたり、
うつの人に電気けいれん療法をしたり、
救急外来の脳梗塞の方に入院指示をいれたと思ったら、自殺企図の人が運ばれて…と、確かに勉強になったが、とにかく忙しかった。
1日おきに夜中も平日も週末も年末年始も普通にポケベルで呼ばれるので、
次第に緊張でご飯も食べられなくなり、
寝不足も続いた頃にだんだん元気も気力もなくなり、思考も怪しくなってきた。
上司の先生が心配して下さり、自宅でのお食事に招かれても
「こんな素敵な奥さんとかわいい子供に恵まれて、仕事もちゃんとやってらして…それに引き換え私は独身だし、ご飯も作れないし、仕事もできないしゴミ以下」
みたいな思考になってしまう始末。
帰り道で号泣しながら自転車をこぐという、怪しさ全開の女。
自分の臨床能力や経験値が低いから、と頑張れば頑張るほど、周りのすごさや知識に圧倒されて、余計に落ち込むループ。
その負のループに気付いたものの「ダメな自分でいいじゃないか、実際そうなんだもの」と開き直ることもできず。
なんで自分はできないのか、恥ずかしい、できない自分と思われたくないと自意識をこじらせて、でも実際に圧倒的に経験が足りなくて、大変な時期だった。
それでも仕事に行けなかったのは迷走神経反射を起こした3日間だけで、あとは何とか仕事をしていた。
上の先生方が私のカルテチェックをし、手技の際にはサポートし、仕事終わるまで待っていてくれて医局で話を聞いて下さった。とても恵まれていたからこそ働けたのだと思う。
後に当時のメンバーで集まった際、上司の先生皆さんに
「あの時は表情も暗くて結構心配だったから、一人にしないようにしてた」
と言われて、やっぱりおかしい感じはバレてたんだな、と思った。
ベテランの精神科医をなめてはいけない。
迷惑かけてすみませんでした。
そして、ありがとうございます。
皆様のサポートのおかげで、まだ医者やれてます!
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